アニメ第3期『ハイキュー!! 烏野高校VS白鳥沢学園高校』の幕開けを飾った『ヒカリアレ』が、放送開始直後から現在に至るまで「神曲」と絶賛される最大の要因は、作品のテーマ性と音楽的構造の驚異的なシンクロ率にあります。
第3期で描かれたのは、県内最強の絶対王者・牛島若利を擁する白鳥沢学園高校と、かつての強豪から這い上がってきた烏野高校による、春高出場を懸けたわずか1試合のみの死闘でした。1クール全10話を丸ごと1つの試合に費やすというアニメ制作側の異例の構成に対し、オープニングに求められたハードルは極めて高いものでした。
楽曲の冒頭、静寂を切り裂くのは、中世の聖歌やグレゴリオ聖歌を彷彿とさせる重厚なアカペラ・コーラスです。「光あれ」という厳かな祈りから一転、熊谷和海の激情的なボーカル、鋭利なギターリフ、地を這うようなベースとドラムのダイナミクスが爆発します。この劇的な展開が、高校生たちの部活動という枠組みを超え、「神話的な巨人に挑む名もなき勇者たちの叙事詩」へと昇華させたのです。
映像演出との連動も伝説視される理由の1つです。白鳥沢の圧倒的な巨躯と威圧感、それに対峙する烏野のメンバーが泥にまみれながら床を蹴る姿が、音符の1拍1拍と寸分違わずシンクロします。単に耳触りの良いポップスを提供するのではなく、物語の重圧と祈りをまるごと音像化した点こそ、本作が孤高の評価を得る決定打となりました。