日本のエスニック料理界において、ここ数年の劇的な地殻変動を象徴するのが2026年最新インド料理トレンドの牽引役である「ビリヤニ」と「食の多様性対応」です。
かつては一部のマニア向けメニューだったビリヤニ(スパイスとバスマティライスを層にして炊き上げるインド風炊き込みご飯)は、現在では完全な定着を見せています。炒め油でご飯を加熱しただけの「なんちゃってフライドライス」を出す店は淘汰され、大釜に密閉してスパイスのアロマを閉じ込める「ダム調理法」を愚直に守る店舗が選ばれる時代になりました。ヨーグルトソース(ライタ)をかけて味の変化を楽しむスタイルが広く浸透したことで、ランチの主役の座をナンから奪い取る勢いを見せています。
さらに、都市部を中心に需要が急増しているのがハラール対応インドレストランです。インバウンド旅行者の回復と在日外国人労働者の定住化に伴い、厳格にハラール認証を受けたチキンやマトンを用い、アルコール提供を一切行わない、あるいは明確に管理を分ける店舗が急増しました。これに伴い、ムスリムの生活リズムに寄り添う形で、深夜0時を過ぎても熱々のビリヤニやロティを提供する深夜営業店が主要駅周辺のライフラインとして機能しています。
また、ライフスタイルの変化に合わせてインドカレーテイクアウト予約のデジタル化も急速に進化しました。ナンが冷めて硬くなるのを防ぐため、アルミホイルの内側に吸湿紙を配した専用パッケージを導入する店舗が増加。自宅に持ち帰っても焼き立ての弾力を再現できる冷凍・チルドのクラフトナン販売など、テイクアウトという枠組みを超えた商品開発が加速しています。