スリッポンとカジュアルウェアの幸福な出会いは、1950〜60年代のアメリカ東海岸にまで遡る。アイビーリーグの名門学生たちがキャンパスで履き崩したスタイルは、伝説的な写真集『TAKE IVY(テイク・アイビー)』によって記録され、日本を含む世界中のユースカルチャーに決定的な衝撃を与えた。彼らが手本としたアイコンのひとりが、歴代屈指のファッショニスタとして知られるジョン・F・ケネディ大統領である。
Brooks Brothers(ブルックス ブラザーズ)のボタンダウンシャツにチノパン、そして素足履きを思わせる軽やかな足元。このアメリカントラディショナル(アイビースタイル)が生み出した黄金律は、半世紀以上の時を経ても色褪せる気配がない。気取りすぎず、かといって決してルーズに流されない。その絶妙なバランス感覚こそ、現代のファッショニスタが今ふたたび熱狂する原点だ。