SNSや美容系ポータルサイトの情報には、いくつかの深刻なレトリック(誇大表現)が含まれています。読者が後悔しないために把握しておくべき「現場の裏側」を整理します。
「ブリーチなし=完全無傷」という幻想
「ブリーチをしないから髪が全く傷まない」という認識は明確な誤解です。髪を8トーン以上に明るくする過程では、必ずアルカリ剤と過酸化水素によるキューティクルの開放とメラニンの分解が起こります。従来の強烈なブリーチ剤(過硫酸塩)に比べれば毛髪強度の低下率は大幅に緩和されるものの、適切なトリートメント処理を怠ればパサつきや枝毛の原因となります。
「ブリーチなしダブルカラー」の仕組みとリアルな仕上がり
近年オーダーが急増しているブリーチなし ダブルカラーとは、1段階目で脱色力の高いアルカリライトナー(13〜14レベルのクリア剤等)を用いてメラニンを極限まで削り、一度流した後の2段階目で希望の色素(オリーブやベージュ系)を濃厚に重ねる手法です。
これにより、ワンプロセスでは不可能なブリーチなし ミルクティーベージュのような高明度かつ柔らかい質感が手に入ります。ただし、アルカリ施術を短時間で2回連続して行うため、髪への負荷は通常のワンメイクカラーの約1.5倍から1.8倍程度に達します。
ブリーチなしカラーの色落ちプロセスと褪色後の姿
気になるブリーチなしカラー 色落ちのスピードですが、染めた直後のベストな色合いがキープできるのはおよそ10日から14日間です。その後、シャンプーや紫外線によって染料が流出し、徐々にベースの明るさ(ブラウン〜オレンジブラウン)へと戻っていきます。
ブリーチ毛のように金髪まで抜けてしまう心配はありませんが、赤みの強い日本人の髪質では「退色すると赤茶けて野暮ったく見える」という事態が起こりやすいため、退色を見越して補色をやや濃いめに配合してもらう設計が不可欠です。