「サレ夫」という呼称は、「不倫をされた夫」を略したネット用語ですが、2026年の現在では単なるネットスラングの枠を超え、夫婦問題や法律相談の現場でも広く共通認識として扱われています。不倫を犯した側を「シタ妻(したつま)」、被害を受けた側を「サレ夫」と呼び分けるのが一般的です。
当事者が開設する「サレ夫ブログ」やSNSの投稿を分析すると、裏切りが発覚した瞬間の男性心理には特有のショック構造が見られます。多くのサレ夫が吐露するのは、「まさか自分の妻が」「家庭を壊すようなことをするはずがない」という強烈な否認と、その後に押し寄せる自己否定の感情です。裏切られた事実そのものへの怒りだけでなく、「男として見られていなかったのか」「自分の稼ぎや容姿、夜の営みに不満があったのか」と、自尊心を根本から破壊される深いトラウマ(不倫トラウマ・PTSD症状)に苦しむケースが目立ちます。
サレ妻とサレ夫の違い|感情表出と社会的孤立のギャップ
配偶者に裏切られたという被害構造は同じであっても、夫側と妻側では周囲のサポート環境や精神的なダメージの表れ方に大きな非対称性が存在します。
女性(サレ妻)の場合、ママ友や親族、女性向けコミュニティなどに心情を吐露し、共感を得ることで感情をある程度発散できる傾向があります。これに対して男性(サレ夫)は、「妻に浮気された情けない男」という恥辱感や世間体を強く意識してしまい、親兄弟や親しい同僚にすら打ち明けられず、完全な精神的孤立に陥りやすいという決定的な違いがあります。この孤立が原因で、適切な法的対処が遅れたり、感情的に妻を怒鳴り散らしてしまい、かえって有責配偶者である妻側から「モラハラ」を理由に別居を強行されるなど、不利な立場に追い込まれる事例が多発しています。