「サプリはいつ飲んでも同じ」という思い込みこそが、最も避けるべき落とし穴です。人間の消化管機能は自律神経や食事の摂取状況によって24時間刻々と変化しています。特に影響を与えるのが、胃酸の分泌状態、胆汁酸の流出、そして小腸粘膜に存在する栄養素トランスポーター(輸送体)の働きです。
例えば、空腹時に強酸性のサプリメントや刺激性の強いミネラルを流し込むと、サプリによる空腹時の胃もたれや急性胃炎のような鋭い痛みを引き起こすケースが報告されています。胃粘膜が食物で保護されていない無防備な状態のところに高濃度の成分が直接触れるためです。また、胃腸が過剰に刺激されて蠕動運動が暴走すると、下痢を起こして他の食事由来の栄養素まで一緒に体外へ排出してしまうという本末転倒な事態に陥ります。
さらに、栄養素の性質を無視した摂取はサプリメントの吸収率を著しく損ないます。水に溶けやすい「水溶性ビタミン」は過剰分が尿としてわずか数時間で排泄され、油に溶ける「脂溶性ビタミン」は油分がない胃腸内ではほとんど乳化されず吸収されません。タイミングの不一致は、単に効果が薄れるだけでなく、内臓への無用な代謝負荷と金銭的な浪費を招く決定的な要因となります。