便潜血検査の精度を正しく担保するためには、適切な検体採取が前提となります。自己流の採取法によって正確な判定が得られなくなる事態を防ぐため、医療従事者が推奨する便潜血検査のやり方とコツを整理しておく必要があります。
採便時の最大のポイントは、便が便器内の水に没する前に採取することです。現代の洋式水洗トイレでは、便が水没すると表面のヘモグロビンが水中に溶出・拡散してしまい、正確な測定ができなくなります。トイレットペーパーをあらかじめ便器内に敷き詰めて便を受ける「紙いかだ」を作るか、専用の採便シートを活用するのが鉄則です。
採便棒の先端にある溝部分を便の表面に押し当て、複数の箇所を満遍なくまんべんなく擦り取るようにスライドさせます。便を容器いっぱいに詰め込みすぎると試薬との比率が狂いエラーの原因となるため、溝が埋まる程度の規定量を守ることが肝要です。採取した検体はヘモグロビンの変性を防ぐため、提出直前まで冷暗所や冷蔵庫で密閉保管することが望ましいとされています。
採便後のスケジュールに関して、便潜血検査の結果がいつ届くかという目安は受診形態によって異なります。自治体の住民検診や職場の一斉健康診断の場合、受診後およそ2〜4週間程度で書面郵送されるのが一般的です。一方、個別のクリニックや消化器内科で直接検査を依頼した場合は、院内迅速検査機を備えている施設であれば最短翌日〜数日、外部委託でも1週間前後で結果が判明します。