生活習慣病管理料の算定において、臨床現場で最も誤解されやすいのが「療養計画書の交付頻度」と「患者署名の取り扱い」です。誤った解釈のまま運用を続けると、カルテ監査での指摘や返戻のリスクを抱えることになります。
1. 「毎月計画書を交付しなければならない」という誤解
生活習慣病管理料(I・IIともに)は月1回の算定が可能ですが、「毎月必ず新しい療養計画書を作成・交付しなければならない」というルールではありません。厚生労働省の通知上、療養計画書は「おおむね4ヶ月に1回以上」の頻度で作成・交付することが求められています。
したがって、病状や治療内容が安定している患者に対しては、初回作成から3〜4ヶ月間は診察と投薬・一般的な指導を行い、4ヶ月目(または治療内容の変更時)に改めて計画書を見直して交付するという運用が認められています。このルールを正しく理解することで、毎月の書類作成業務を大幅に削減できます。
2. 患者署名の省略ルールと注意点
初回算定時および治療目標の大幅な変更時には、患者の署名(または代理人の署名)を得ることが必須です。しかし、2回目以降(継続時)で治療計画に実質的な変更がない場合は、以下の要件を満たすことで署名を省略できます。
- 要件1:医師が患者に対して療養計画書の内容を対面またはオンラインで丁寧に説明し、同意を得ていること。
- 要件2:電子カルテ等の診療録に「療養計画書の内容を説明し、患者の同意を得た」旨(または「前回計画に準ずる説明を行い同意」)を具体的に記録していること。
- 要件3:患者に計画書の写し(控え)を確実に交付していること。
これらの記録がカルテに残っていれば、継続時の計画書に毎回手書きのサインを求める必要はありません。これにより、受付や診察室での署名待ちによる患者滞留を防止できます。