朝倉海のキャリアを語る上で避けて通れないのが、度重なる拳の骨折や膝の負傷といった過酷なアクシデントです。かつてRIZINのトーナメントを右拳骨折の状態で戦い抜いたエピソードに象徴されるように、彼の驚異的な精神力は諸刃の剣でもありました。
フライ級への転向に伴い、専属のストレングス&コンディショニングコーチおよび栄養管理チームを招聘。無理な急激減量を排し、筋膜リリースや関節可動域の改善を取り入れた長期的なフィジカルビルディングを敢行しました。米フロリダの名門キルクリフFCなどでの海外武者修行では、世界屈指のグラップラーたちと連日スパーリングを重ね、弱点とされたケージレスリングの穴を着実に埋めています。
自著や特集ドキュメンタリーで「痛みを我慢して戦うことが美徳ではない。100%の肉体でケージに立つことこそがプロの責任」と語った言葉は、彼が単なるスターファイターから成熟した世界規格の格闘家へと脱皮した証左といえます。