世界中で愛されるディズニー フィガロの性格と設定を語る上で、まず避けて通れないのが「そもそもフィガロは何の猫なのか」という猫種談義です。結論から言えば、純血種ではなく、額から鼻筋にかけて八の字状に白毛が広がるピノキオの黒白猫ハチワレ、英語圏で俗に「タキシードキャット」と呼ばれる雑種の短毛種(ドメスティック・ショートヘア)が極めて濃厚なモデルとされています。
作画監督を務めたのは、ウォルト・ディズニーが絶大な信頼を寄せた伝説的アニメーター集団「ナイン・オールド・メン」の一角、エリック・ラーソン(Eric Larson)氏です。当時の制作スタジオ記録によると、ラーソン氏は本物の子猫の骨格の動き、前足で顔を洗う仕草、驚いた瞬間に背中を丸める生理現象を徹底的にスケッチしました。同時に、あえて首の周りにふんわりとした白い飾り毛を配し、手足の先だけを白く染めた「白ソックス」の意匠を施すことで、単なる野良猫のリアリズムを超えた気品と童顔の強調に成功しています。
ピノキオ キャラクター一覧 猫のカテゴリーにおいて、本作には狡猾な詐欺師として登場する擬人化されたキツネの相棒「ギデオン」も存在します。ギデオンが二足歩行で服を着た典型的な擬人化動物であるのに対し、フィガロは四足歩行のリアルな猫の生態を完全に維持しています。言葉を一切話さないにもかかわらず、耳の角度やヒゲの震え、不満げに膨らませた頬の動きだけで感情を雄弁に物語る演出は、当時のアニメーション界に計り知れない衝撃を与えました。この「完全な動物の姿でありながら人間の子供のような喜怒哀楽を見せる」という黄金比こそが、ピノキオ フィガロの猫種の枠組みを超えた普遍的な魅力の源泉です。