事件発生後、インターネット掲示板やSNSでは情報が錯綜し、いくつかの重大な誤解が長年にわたって語り継がれてきました。調査報道の視点から、確認されている事実をもとにこれらを正します。
誤解1:桜塚やっくん本人が運転していたのか?
事故当時、最も多く見られたのが「桜塚やっくん自身の危険運転が招いた事故ではないか」という憶測です。しかし、警察発表によると運転を担当していたのはバンドの別メンバーであり、斎藤恭央さんは同乗者として後部座席付近に乗車していました。運転していたメンバーの呼気検査でもアルコール等は一切検出されておらず、長距離移動の過密スケジュールと突発的な悪天候スリップが引き金であったことが証明されています。
誤解2:なぜ車内に留まらなかったのかという批判
「車内にいれば無事だったのではないか」という声も多く上がりました。しかし、高速道路の追い越し車線上に動けない車両が取り残された場合、後続の大型車が時速80〜100kmでノーブレーキ追突してくれば、車内に残っていた全員が圧死する危険があります。「車外へ脱出する」という判断自体は、高速道路の安全マニュアルに照らしても決して誤りではありませんでした。致命的だったのは、「道路上にとどまって自ら対処しようとしたこと」にありました。