テニスのタイブレークとは?点数の数え方とサーブ順・最新規則を解説

テニスのタイブレークとは?点数の数え方とサーブ順・最新規則を解説

テニスのタイブレークとは?点数の数え方とサーブ順・最新規則を解説とはどんな影響があるのか? 詳しい意味を簡潔に解説します。

ネット上のQ&AサイトやSNSで頻繁に誤認されている、タイブレークにまつわる代表的な誤解を是正します。

誤解1:「タイブレークが終わった次のセットは、直前にサーブを打った人の相手から始まる?」

正解は「タイブレークで最初にサーブを打った選手の『対戦相手』から始まる」です。

タイブレークが誰のサーブで終わったかは一切関係ありません。タイブレーク全体を1つの「ゲーム」として見做すため、タイブレークの第1ポイントでサーブを打った選手(選手A)は、そのゲームのサーバーを務めた扱いになります。したがって、次のセットの第1ゲームは対戦相手(選手B)のサーブから開始され、エンドも交代した状態からスタートします。

誤解2:「ダブルスでタイブレークに入ったら、サーブ順を自由に変えられる?」

これも明確な誤解です。ダブルスにおけるタイブレークでも、そのセット中に続けてきたチーム内のサーバー順序を変更することはできません。セットの第1ゲームから守ってきた「Aペアの1番手 → Bペアの1番手 → Aペアの2番手 → Bペアの2番手」というサイクルをそのままタイブレーク内でも継続して適用しなければならず、勝手に得意な選手へ順序を入れ替える行為はルール違反となります。

タイブレークの歴史的起源:なぜこの残酷な制度は生まれたのか

そもそも、なぜこのような緊迫した制度が生まれたのでしょうか。発案者はアメリカの名誉テニス殿堂入りを果たしたジェームズ・ヴァン・アレン(Jimmy Van Alen)氏です。

1960年代までのテニス界では、2ゲーム差がつくまで延々とゲームを繰り返す「アドバンテージセット制」しか存在しませんでした。1969年のウィンブルドン男子シングルス1回戦において、パンチョ・ゴンザレスとチャーリー・パサレルの試合は計112ゲーム、試合時間5時間12分に及びました。さらに後年の2010年ウィンブルドンでは、ジョン・イズナーとニコラ・マユが第5セットだけで「70-68」を記録し、3日間にわたる計11時間5分という伝説的な死闘を演じました。

こうした底なしの消耗戦は選手生命を脅かし、テレビ放送枠の都合を著しく破壊するため、スポーツビジネスの観点からも限界に達していました。ヴァン・アレン氏が1965年に考案した時間短縮システム(VASSS)を原型として、1970年の全米オープンでグランドスラムとして初めて公式導入されたのがタイブレークの始まりです。身体保護とメディア興行の近代化という2大要請が合致した結果、生まれた必然のイノベーションでした。

前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。