猫の成長スピードは人間のそれとは全く異なります。最初の1年で人間の約17〜18歳相当まで一気に成長し、2歳を迎える頃には24歳前後の立派な成猫へと成熟します。その後は1年ごとに人間の約4歳分歳を重ねていく計算が一般的です。
一般社団法人ペットフード協会が公表した最新の飼育実態調査データでも、完全室内飼育の猫における平均寿命は15.8歳前後に達しており、10歳はまさに「猫生」の後半戦、人間社会で言えば定年や役職定年を目前に控えた50代半ばの円熟期に位置づけられます。
外見上は毛並みがふんわりとしていて成猫期と変わらないように見えても、体内では以下のような不可逆的な変化が確実に始まっています。
猫の年齢換算表を客観的に見つめ直すと、飼い主が抱く「いつまでも可愛い子猫」という残像と、目の前にある生物学的な現実との間に大きな隔たりがあることが浮き彫りになります。56歳の人間が激しいスポーツで関節を痛めたり、健康診断の血液検査で肝機能や血圧の数値を指摘されたりするように、10歳の猫の身体もまた、見えない疲労と退行性変化の蓄積に直面しています。