物語の主人公・小山田修平は、過度なストレスから体調を崩し、休養のために久々に実家へと帰省します。しかし、温かく迎えてくれるはずの我が家には、得体の知れない異様な空気が漂っていました。見知らぬ老人・沼尻(ぬまじり)が当たり前のように居間に居座り、家族全員が彼を恐れるでもなく、むしろ異常なほど丁重にもてなしていたのです。
家族構成とそれぞれの異変は以下の通りです。
・小山田修平(主人公):医大受験の重圧に苦しむ青年。実家の異変に唯一危機感を抱き、家族を救おうと奔走する。
・美津子(母):良妻賢母に見えたが、家庭内での孤独と満たされない承認欲求を沼尻に突かれ、完全に依存していく。
・和宏(父):厳格でプライドが高い一家の大黒柱。家庭を省みず、自身の体面を守るために沼尻の言いなりになっていく。
・美咲(妹):思春期特有の反抗心と疎外感を抱えており、沼尻の甘言に乗せられて家族への敵意を露わにする。
・沼尻(謎の老人):勝手に他人の家に上がり込み、まるで妖怪「ぬらりひょん」のように家主面をして精神的に家を支配する老人。
修平は沼尻を家から追い出そうと試みますが、家族は沼尻を庇い、逆に修平を異常者扱いし始めます。家族がじわじわと洗脳され、味方が誰一人としていなくなる孤立無援の恐怖が読者を惹きつけました。