さんぴん茶にまつわる言説の中には、事実と異なる誤解がいくつか定着してしまっています。代表的な盲点を整理します。
誤解1:「茶葉はすべて沖縄県内で栽培されている」
「沖縄のお茶」というイメージから、沖縄の農園で栽培された茶葉だと思われがちですが、商業流通しているさんぴん茶の原材料の多くは台湾や中国産の良質な茶葉です。そもそも沖縄本島は台風が多く土壌の制約もあるため、大量消費を支える半発酵茶葉の全量を県内産で賄うことは困難です。歴史的にも「交易によって海外から仕入れ、沖縄の生活様式に合わせて仕立て直した」のがさんぴん茶の本質であり、海外産の厳選茶葉を使用していること自体が伝統的なスタイルです。
誤解2:「どんなにガブガブ飲んでも身体を冷やさない」
ジャスミンの花には温める性質(温性)があると語られることがありますが、ベースとなる緑茶や軽発酵の烏龍茶は、漢方・薬膳の視点では「体の熱を取る(涼性〜寒性)」に分類されます。南国の沖縄で暑さをしのぐために飲まれてきた歴史の通り、火照った体をクールダウンさせる用途には最適ですが、極度の冷え性を抱える人が冷たいさんぴん茶を大量摂取すると、お腹を下したり冷えを助長したりするリスクがあります。冷えが気になる季節は、ホットで淹れて湯気とともに立ち上る香りを楽しむ飲み方が適しています。