収穫時期の良し悪しを語るうえで、その前段階である4月中旬から5月上旬にかけての作業を切り離すことはできません。それがにんにくの芽摘みと球肥大の密接な関係です。
春が深まると、株の中央からスーッと丸い茎が伸びて先端に小さな総苞(蕾のようなもの)をつけます。これがいわゆる「にんにくの芽(花茎)」です。植物の生理として、花を咲かせてタネを作ろうとする生殖成長にシフトするため、光合成で作られた栄養分がすべて先端の花茎へと吸い取られてしまいます。この花茎を放置しておくと、本来なら地下の球へ蓄積されるはずだった養分が分散し、球のサイズが30〜40%も小さくなってしまいます。
現場での鉄則は、花茎が伸びてきてクルリと1回ループを描いた直後、先端が立ち上がる前に折り取ることです。晴れた日の午前中に、茎の付け根を指で横に倒すようにポキリと折るか、ハサミで清潔に切り取ります。摘み取った花茎はシャキシャキとした食感と豊かな風味を持つ高級野菜として美味しくいただけます。
また、収穫予定日の2〜3週間前からは、追肥を一切止め、水やりも極力控えて土を乾き気味に管理することが、病気の予防と収穫後の貯蔵性を高める決定的なポイントとなります。