コーラで歯が溶ける噂は嘘か本当か?科学が暴く酸蝕症の正体と対策

コーラで歯が溶ける噂は嘘か本当か?科学が暴く酸蝕症の正体と対策

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「コーラで歯が溶ける」という言説に対し、歯科医学的な視点から白黒をつけるならば、答えは「都市伝説としてのイメージは嘘だが、病態としては完全に本当」という極めてシビアな結論に行き着きます。

まず、なぜ「嘘」と言い切れる側面があるのか。それは、多くの人が連想する「コーラを飲んだ瞬間に歯が泡を吹いて溶け去る」「骨が体の中でドロドロになる」といった劇的な現象が生体内で起きることはあり得ないからです。日本コカ・コーラ株式会社の公式見解(お客様相談室)においても、「コカ・コーラに限らず一般的に清涼飲料には酸味料が含まれており、歯や骨の成分であるカルシウムやマグネシウムは酸に溶ける性質を持つ」としつつも、人間の体内では唾液による保護作用が常に働くため、通常の飲用で骨や歯が消失することはない旨が明記されています。

一方で、なぜ「本当」なのか。それは、口の中に存在する歯の最外層「エナメル質」が、コーラに含まれる強い酸によって化学的に溶かされる現象、すなわち「酸蝕症(さんしょくしょう)」が確実に発生するからです。虫歯菌が出す酸ではなく、口にした飲み物自体の酸によって物理的に歯が薄くなり、削れ、すり減ってしまうトラブルは、日本歯科医師会も強い警鐘を鳴らす現代の歯科疾患となっています。

なお、「コーラを飲むと骨が溶ける」という噂に関しては、骨が直接コーラに触れることは解剖学的にあり得ず、消化器系で分解・吸収されるため医学的には完全なデマと断定できます。かつてリン酸の過剰摂取がカルシウムの吸収を阻害するという栄養学的な仮説が、子どものおやつ教育の現場で飛躍・変形して広まったのが噂の真相です。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。