臨床現場において、消化器内科確定診断の決定打となるのが造影剤を用いた腹部造影CT検査です。特に近年の高精細なマルチスライスCTによる3D血管再構成(3D-CT)は、動脈と十二指腸の位置関係をミリ単位で立体的に把握することを可能にしました。
日本および国際的な診断基準において、極めて重視される指標が大動脈SMA間角度(Aortomesenteric angle)と大動脈SMA間距離(Aortomesenteric distance)の2点です。SMA症候群CT検査基準として用いられる客観的な数値データは、健常者の解剖学的数値と明確に乖離しています。
CT画像上で大動脈SMA間角度が22度未満、かつ大動脈SMA間距離が8mm以下に縮小し、それによって十二指腸水平部に明らかな通過障害と口側腸管の拡張が認められた場合、SMA症候群と確定診断されます。さらに重症化すると、胃破裂や胃壊死、門脈ガス血症、重症急性膵炎といった命に関わる致命的な合併症を誘発することもあるため、数値の正確な把握は治療戦略上極めて重要です。