そのほくろは危険?悪性皮膚がんの見分け方と写真でわかる初期症状

そのほくろは危険?悪性皮膚がんの見分け方と写真でわかる初期症状

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「普通のほくろ」と「悪性腫瘍」の境界線はどこにあるのか。医療機関が公開する臨床症例写真や学会のアトラス(症例図譜)を精査すると、素人目には見逃されがちな明確な差異が浮かび上がる。良性のほくろ(母斑細胞母斑)の写真は、全体がほぼ円形または楕円形を描き、中心から外縁部に向かって色素が均質に分布している。境界線は鉛筆で引いたようにくっきりと明瞭だ。

対照的に、症例写真が示すメラノーマの初期症状は、まるで墨汁を水に落として半紙に滲ませたような不気味な広がりを見せる。専門医が「ピグメント・ネットワークの乱れ」と呼ぶこの現象は、悪性化したメラノサイトが無秩序に増殖し、表皮の網目構造を破壊しながら水平方向へ不均等に浸潤していくことで生じる。肉眼でも、一見して「歪(いびつ)」な印象を抱かせるのが特徴だ。

色調の差異も決定的な鑑別点となる。良性のほくろや老人性色素斑(いわゆる日光黒子)は、単一の黒色や均一な褐色を呈することが多い。一方、メラノーマの病変部を接写写真で拡大すると、漆黒、焦げ茶、赤褐色、さらには青みがかった灰色や色素が抜け落ちた白斑までもがモザイク状に入り混じる。皮膚がんの初期症状の見分け方において、この「1つの病変内に複数の色が同居している」という視覚的違和感こそ、最も警戒すべき指標となる。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。