調査兵団が壁内の権力中枢と全面衝突を迎える進撃の巨人 王政編において、物語が決定的な転換点を迎えた瞬間こそが、進撃の巨人 ニファ 死亡シーンです。原作漫画では第14巻収録の第57話「切り裂きケニー」、TVアニメ版ではSeason 3の第38話(第3期第1話)「狼の煙」にて描かれました。
トロスト区の屋根の上に身を潜め、護送されるエレンとヒストリア(当時は身元を隠蔽するための囮)を双眼鏡で見張っていたニファ。その隣には調査兵団屈指の猛者であるリヴァイ兵長が並び立ち、冷徹に状況を分析していました。リヴァイはかつて王都の地下街で都市伝説のように恐れられていた大量殺人鬼「切り裂きケニー」の手口を思い出し、不穏な気配を察知してニファに問いかけます。「ニファ、切り裂きケニーを知っているか?」と。
「都市伝説の類ですよね?」と答えた直後、背後の煙突の影から飛び出したケニー・アッカーマンが、新型の対人立体機動装置から放たれる散弾銃の銃口を突きつけました。リヴァイが「身を引け!」と叫んだ刹那、放たれた散弾はニファの顔面を至近距離から直撃。頭部の上半分を吹き飛ばされた彼女は、断末魔の叫びをあげる間もなく即死し、屋根の上へと崩れ落ちました。
このニファ 死亡理由は、対人制圧に特化して極秘裏に組織された中央憲兵団「対人立体機動部隊」による完全な奇襲攻撃です。巨人を駆逐するための兵器しか持たない調査兵団に対し、人間を殺害するために設計された散弾銃と立体機動の組み合わせは圧倒的な初見殺しとして機能しました。リヴァイとニファが行動を共にし、人類最強の男の真横に位置していたにもかかわらず守りきれなかったという事実が、敵の脅威と無慈悲さをこれ以上ないほど雄弁に物語っています。