改修前の京都競馬場といえば、「開幕週から最終週までインコースの芝が荒れず、内ラチ沿いを走った逃げ・先行馬が止まらない」というイメージが定着していました。しかし、2023年4月にオープンした新生京都競馬場(センテニアルパーク)では、JRAの最新土木技術が投入されたことにより、コースの質的変化が明確に起きています。
スタンド改築とともに実施された大規模な馬場路盤改修工事では、路盤の水はけ(透水性)が飛躍的に向上しました。暗渠(あんきょ)排水管の全面再敷設や路盤砂の改良が行われ、雨天後の馬場回復スピードが目覚ましく早くなっています。さらに、毎週発表されるクッション値の測定管理が徹底されたことで、以前のような「不自然な超高速インベタ馬場」が形成されにくくなりました。
このリニューアル後の変化がもたらした決定的な影響が、「京都=絶対的逃げ先行有利」という定説の崩壊です。もちろん開幕直後や内回り短距離戦では依然として前の馬が有利な傾向にありますが、開催が進むにつれて馬場の内外の差がフラットになり、外回りを中心に外差しが力通りに決まるシーンが激増しました。
枠順の有利不利についても、先入観のアップデートが欠かせません。内回り戦では依然としてコースロスの少ない1枠〜3枠の内枠が好成績を収めていますが、芝外回りの中長距離戦においては、「揉まれずに坂の下りからスムーズに加速できる中枠から外枠(5枠〜8枠)」の勝率・複勝回収率が大きく伸長しています。内枠で馬群に包まれて坂の下りでブレーキを踏まされるリスクを避けるため、馬群の外目を追走できる枠順の価値が相対的に高まっているのです。