1990年代半ば、日本の映画史に深い足跡を残す名作が誕生した。岩井俊二監督が手がけた青春映画の金字塔『Love Letter』だ。雪深い小樽を舞台にした抒情的な世界観の中で、彼は図書室の窓辺で風に揺れるカーテンの奥に立つ少年時代の「藤井樹」を演じた。
セリフを極限まで削ぎ落とした演出の中、まなざし一つでスクリーン越しに感情を伝える佇まいは圧巻の一言。日本映画界に衝撃を与えたこの作品は、国内にとどまらず台湾、香港、韓国、中国へと波及し、アジア中で空前のフィーバーを巻き起こした。「アジアの元祖イケメン俳優」としての揺るぎない名声は、まさにこの一作によって決定づけられたのだ。