今日における日本のテレビドラマ業界において、『北の国から』が遺した功績は計り知れない。スタジオ収録のセット中心だった従来のドラマ制作に対し、長期ロケを敢行し、キャストの実際の加齢や成長とともに物語を紡ぐという壮大なプロジェクトは、後にも先にも例を見ない挑戦であった。
テクノロジーが急速に進化し、コンテンツの消費速度が加速する現代だからこそ、人間味にあふれ、愚かしくも愛おしい人々の営みを丁寧に描き切った本作の価値は高まり続けている。時代が変わろうとも、人が人を思いやる気持ちの温もりや、自然の前での人間の矮小さを突きつける問いかけは、永遠に色褪せることがない。