幼い命を救う機会は本当になかったのか。ここで焦点となるのが苫小牧児童相談所の対応と、市福祉部局によるリスク管理の実態です。過去に乳幼児健診の未受診や予防接種の遅れ、近隣住民からの不審な泣き声に関する相談など、兆候となり得る情報は行政側に複数回寄せられていました。
しかし、訪問時に居留守を使われたことや、一時的な電話連絡で「家庭内に問題はない」と母親が応じたことで、危険度の判定が低く見積もられていた経緯があります。書類上の確認にとどまり、子どもの安全を直接目視で確認する「実況把握」が徹底されなかった点は、行政の初動体制における致命的な不備として厳しく検証されています。