インターネット上の口コミで稀に見られるのが、「せいろ蒸しは作り置きした鰻を温め直しているだけではないのか」という誤解です。これは完全な誤りです。
せいろ蒸しの調理には極めて緻密な計算が施されています。蒲焼をタレご飯に載せて高温スチームにかけると、米の水分蒸発とタレの浸透圧が同時に働きます。最初から蒲焼として完成された状態ではなく、「蒸気を吸って最もふっくら仕上がる焼き加減」に職人が炭火で調整しているのです。
また、「タレが染みたご飯がべたつくのではないか」という懸念も、専用に配合された硬めの炊飯技術と蒸籠の吸湿作用によって払拭されます。杉の木で作られたせいろが余分な水滴を吸収し、お米本来の粒立ちを保ちながらモチモチとした弾力を生み出しています。