岡田准一が「本格派アクション俳優」へと完全に舵を切る決定打となったのが、2007年放送の連続ドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)です。警視庁警備部警護課のSP・井上薫役を務めた彼は、制作開始の1年以上前から役作りのために徹底した身体改造と武術の訓練に着手しました。
格闘技にのめり込んだきっかけについて、岡田自身は「動ける身体を作らなければ、本物のSPとしての説得力が生まれない」というリアリズムへの追求を挙げています。ブルース・リーが創始した「ジークンドー」や、東南アジアの伝統武術「カリ(エスクリマ)」、さらには総合格闘技「USA修斗」のインストラクター認定(師範免許)を取得するまでに至った鍛錬は、もはや一般的な芸能人の役作りの範疇を完全に超越していました。
吹き替えスタントを一切使わず、ワンカットで目にも留まらぬ近接格闘術(CQB)を繰り出すアクションシーンは、従来の邦画・国内ドラマの映像表現を根底から覆しました。この20代後半における武術との出会いこそが、後の『ザ・ファブル』や『散り椿』『燃えよ剣』など、殺陣・アクション指導まで自ら手掛ける唯一無二のキャリアを決定づけたのです。