2017年に開催された「第10回日本高校ダンス部選手権(ダンススタジアム)」。そこで準優勝に輝きながらも、優勝校以上の凄まじいインパクトを世間に残したのが大阪府立登美丘高校ダンス部でした。振付師のakane氏が手掛けた昭和バブル期を彷彿とさせるユニークかつ超絶技巧のフォーメーションダンス、通称「バブリーダンス」は、YouTubeに公開された公式動画が瞬く間に数千万回、累計で1億回以上の再生数を記録する大ヒットとなりました。
その約90名におよぶ巨大ダンス部を統率し、センターで鋭い眼光とコミカルな笑顔を使い分けながらチームを引っ張っていたのが、当時高校3年生だった伊原六花です。報道各社の当時の取材資料によると、平日は放課後から夜遅くまで、休日は1日10時間近くに及ぶ過酷な練習を重ねていたといいます。センターとしての重圧に加えて部長としての統率力が求められる中、彼女が見せたストイックな姿勢と現場での強いリーダーシップは、指導者のakane氏をはじめとする関係者からも極めて高く評価されていました。
日本レコード大賞特別賞の受賞や、同年の『NHK紅白歌合戦』における郷ひろみとのコラボレーション出演など、部活動の枠を遥かに超えて日本中を席巻した熱狂は、彼女にとって表現者としての資質を証明する最初の巨大なステージとなりました。