暴力団排除の機運が社会全体で高まる中、警察庁は全国の警察本部を強力に指揮し、山口組に対する包囲網をかつてないレベルに引き上げている。資金源の徹底的な遮断、サイバー空間やフロント企業を介した資金洗浄の摘発など、その手法は極めて多角的かつ先進的だ。
これに対し、裏社会側も従来のシノギの形態を激変させている。表立った活動を極力控え、法令の隙間をぬうような巧妙なスキームを構築することで防衛を図る。国家権力による法的な締め付けと、伝統的組織が生き残りをかけて展開する潜伏化の知恵比べは、今や終わりの見えない冷戦の様相を呈している。
社会からの完全な孤立を狙う警察庁の基本方針に対し、現場の構成員たちがどのような行動をとるのか。指導部の号令一様で動く統制力が、どこまで維持できるかが最大の分岐点だ。