ポテトのサクサク感と香ばしさを決定づけるのは、熟練度だけではない。油の鮮度と商品の「回転スピード」という物理的環境が極めて大きな比重を占める。とりわけ日本一売上のあるマクドナルド店舗やメガフランチャイジーが運営する超大型ロードサイド店、巨大ターミナル駅構内の旗艦店では、味のクオリティが安定して高い傾向が観測される。
その背景にあるのが、徹底したマックの油交換頻度と品質管理の仕組みだ。マクドナルドでは牛脂とパーム油をブレンドした特製ショートニングを使用しており、専用の濾過(フィルター)作業を1日複数回実施している。油の劣化度合いを示す酸価(AV値)やTPM(極性化合物)をデジタルテスターや試験紙で厳しく測定し、基準値を超えた油は即座に廃棄・交換される仕組みが確立されている。
ここで重要なのは、油は「新しすぎても香ばしさが足りず、古すぎると油酔いやベタつきの原因になる」という油脂工学の基本法則だ。ポテトが絶え間なく揚がり、適切な頻度で新油が注ぎ足される高回転店舗こそが、油の状態を常に理想的なゾーン(スイートスポット)に保ちやすい。
以上の客観データから導き出されるのは、マックのポテトが美味しい店舗を探すための最も確実な指標は「圧倒的な客数と回転率を誇る店舗」であるという事実だ。アイドルタイム(閑散時)に作られてストックされた商品と、ランチピークの熱気の中でフライヤーから直行した商品とでは、衣の水分蒸発度合いが根本から異なっている。