成田とうなぎの深遠な結びつきを語る上で、歌舞伎の大名跡「市川團十郎」家の存在を外すことはできない。江戸時代、初代團十郎が成田山に子授けを祈願し、見事子宝に恵まれたことから始まった深縁は、今なお脈々と受け継がれている。
当時の参拝客は、江戸から数十キロの道を何日もかけて歩いてやってきた。長旅の疲れを癒やし、参拝のための英気を養う滋養強壮の食として重宝されたのが、利根川や印旛沼で豊富に捕れたうなぎだった。屋号「成田屋」を背負う歌舞伎役者たちも愛したスタミナ源は、時を超えて今も参拝客の心と体を満たし続けている。