作品を象徴する名キャラ・和久平八郎を演じた故・いかりや長介の存在感は今なお絶大だが、物故者を巡る肖像権管理や遺族・関係者への配慮もまた慎重な扱いを要する要因だ。さらに見逃せないのが、ここ10数年で激変した放送コンプライアンスの波である。
当時の『踊る大捜査線』はリアルな警察組織を描くため、警察署内での喫煙シーンや、現在の基準では不適切とされる言葉遣い、あるいは強烈な取り調べ表現が含まれていた。昨今の厳格な放送基準に照らし合わせると、これらのシーンはカットやモザイク処理、音声の消去といった過度な編集を余儀なくされる。オリジナルが持つテンポや世界観を損なってまで地上波で流すことに対し、制作側が難色を示すケースも少なくない。