あからさまな怒声や暴行であれば客観的な立証は容易だ。しかし、現代の職場で猛威を振るうのは、加害者が「指導」や「業務上のコミュニケーション」の皮をかぶせた不当なアタックである。パワーハラスメント(パワハラ)の定義に該当する明確な指示違反や暴言だけでなく、無視や嫌味、孤立を狙ったモラルハラスメント(モラハラ)が巧みに組み合わされる。
こうした状況が長期化することで、労働問題・メンタルヘルスの悪化は深刻の度を増す。労働法務・HR業界の専門家らも、早期の段階でハラスメントの芽を摘む難しさを指摘している。被害者が自責の念に駆られ、一人で悩みを抱え込んだ末に休職や離職へ追い込まれるケースは後を絶たない。