彼女の才能が最初に開花したのは、まさに幼少期に遡る。周囲が「神童」と口を揃えた少女時代を経て、東京大学法学部に進学。国家公務員上級職試験をトップクラスでパスし、当時の旧大蔵省へ入省を果たしたエピソードは、官界では今なお語り草だ。
旧大蔵省といえば、かつては男社会の象徴のような組織であった。その硬直した組織構造のなかで、彼女は女性初の主計官(防衛担当など)へと上り詰める。主計官とは、国家予算の分配権限を握る、文字通り官僚の頂点に位置するポストだ。大物政治家や自衛隊幹部を相手に、巨額の国家予算を巡って対等以上に渡り合った彼女の凄腕は、当時の霞が関に大きな衝撃を与えた。
なぜ彼女はそこまで登りつめられたのか。裏には、関係者が「怪物の域」と称する超人的な集中力がある。膨大な統計データや法改正の条文を一度目を通しただけで記憶し、審議の場で即座に引用してみせる。その天才的頭脳こそが、ガラスの天井を粉々にはじき飛ばす最大の武器となったのだ。