「朝食をしっかり食べたのになぜ?」と頭を抱えたことはないだろうか。医学的に胃腸の音は「腹鳴(ふくめい)」と呼ばれるが、これが起こるメカニズムは空腹時だけに限定されない。ある消化器内科医は、「胃の中が空っぽのときだけでなく、空気の呑み込みや腸内ガスの発生、さらにはストレスも大きな引き金になる」と説明する。
主な原因の筆頭に挙げられるのが、無意識のうちに空気を呑み込んでしまう「空気呑み込み症(呑気症)」だ。緊張すると唾液を飲む回数が増え、一緒に大量の空気を胃に送り込んでしまう。これが胃の収縮運動と混ざり合い、大きな音を響かせるのだ。また、早食いや炭酸飲料の摂取も胃に空気を溜め込む要因となる。
さらに見逃せないのが自律神経系の乱れだ。緊張やストレスを感じると交感神経が優位になり、一時的に胃腸の動きが停滞する。その後、ふっと緊張が緩んだ瞬間に副交感神経が急激に働き出し、溜まっていたガスや水分が一気に動いて豪快な腹鳴を引き起こすのである。