ドラマ版の制作発表時、SNSや掲示板には失望と不安の声が溢れかえっていました。原作の夜神月といえば、容姿端麗・頭脳明晰な非の打ち所がない天才高校生。対してドラマ版の初期設定は「居酒屋でアルバイトをし、地下アイドルの応援に熱を上げる平凡な大学生」だったためです。
ところが第1話の放送直後、ネット上の反応は一変しました。デスノートを拾い、知人の名前を書き込んでしまったことで意図せず人を手にかけてしまった恐怖、罪悪感に押しつぶされそうになりながら震える姿を、窪田正孝さんは生々しいリアリティをもって演じきりました。
「漫画のキラとは違うが、生身の人間がノートを手にしたらこうなるはずだ」という説得力を冒頭で見せつけたことで、視聴者の視線は「改変への不満」から「一人の青年が壊れていくサスペンス」へと引き込まれていきました。下馬評の低さを自らの表現力だけでねじ伏せたことこそ、ドラマ版デスノートの夜神月が「神演技」と称賛された最大の理由です。