歯科医療の現場において、短期間で劇的な歯並びの改善とホワイトニングを同時に達成する手段として選択されるのが、歯を削って人工歯を被せるセラミッククラウン治療(セラミック矯正)です。沢尻エリカの口元に見られる変化は、一般的なワイヤーやマウスピースを用いた年単位の歯列矯正では説明がつかない特徴を複数備えています。
審美歯科医の知見に基づくと、重度の八重歯を解消して均整の取れた歯列を作る場合、飛び出た天然歯の神経を抜いて土台を立てるか、場合によっては抜歯を行い、複数の歯を連結したジルコニアやオールセラミックの被せ物(差し歯)を装着する手法が取られます。この際、最も重要視されるのが「歯頸線(ガムライン・歯茎の境界線)」の高さです。
八重歯の位置にあった歯茎のラインと前歯の歯茎のラインが不揃いだと美しいアーチを描けないため、多くの場合、歯肉切除術(クラウンレングスニング)を併用して歯茎を数ミリ削り上げ、左右対称のバランスを強制的に作り出します。その結果、歯茎に隠れていた歯根側のスペースまで人工歯で覆うことになり、天然歯の標準的な縦横比率(幅80%に対して長さ100%が黄金比とされる)を超えて縦長のプロポーションになりやすいという力学的限界が存在するのです。