ネット上の口コミで頻繁に見受けられる「店舗によってメニューや味が違う」という指摘は、単なるブレではなく構造的な事実に起因します。うな鐵は中央集権的なフランチャイズチェーンではなく、本流の味と技を継承した職人たちがそれぞれ独立して暖簾を掲げる「のれん分け」の形態をとっているためです。
歌舞伎町の入口に位置する新宿うな鐵は、歓楽街特有の活気と熱気に満ちており、カウンター席とテーブル席がひしめく酒場情緒が魅力です。串の種類が極めて豊富で、深夜帯まで営業している日もあることから、アルコールとともにアラカルトをじっくり楽しむ吞兵衛や食通が集まります。
一方、道玄坂に拠点を構える渋谷うな鐵は、再開発が進む渋谷の街にあって、昭和の温もりを色濃く残す大衆的な空間として親しまれています。若者や近隣のオフィスワーカー、さらにはインバウンドの観光客まで幅広い層が訪れ、串焼きのみならずランチタイムのうな丼や定食メニューにも定評があります。
両者はベースとなる職人の魂を共有しながらも、タレの甘辛さの匙加減、串の仕込み、さらには提供する一品料理のバリエーションに至るまで、立地と客層に合わせた独自の進化を遂げています。