「国際宇宙ステーションが見える日はいつなのか?」という疑問に対する答えは、軌道計算と太陽光の角度という明確な物理現象に裏打ちされています。ISSは約90分で地球を1周しており、日本上空付近も1日に何度も通過しています。ただし、地上から光り輝く姿を目撃できるタイミングは限られており、いつでも見られるわけではありません。
ISSが夜空で明るく見えるためには、次の3つの条件が同時に成立する必要があります。
第1に、観測地が夜であること(周囲が暗く星が見える環境)。第2に、上空400kmを飛ぶISSに太陽光が当たっていること。第3に、ISSの通過軌道が観測者の視界上空を通ることです。
真昼は空が明るすぎてISSの反射光を識別できません。逆に深夜は、地上だけでなく上空400kmも地球の影に入ってしまうため、太陽光が当たらずステーションが真っ暗になって見えなくなります。したがって、観測可能な時間帯は必然的に「日没後の約2時間以内」または「日の出前の約2時間以内」に限定されます。
この光学条件と周回軌道のズレが重なり合うことで、1つの地域において「数日間にわたって夕方に好条件の通過が続く期間」と「全く見えない期間」がおよそ数週間サイクルで巡ってきます。東京をはじめとする国内主要都市でも、1ヶ月のうち夕方に肉眼で見られる好機は合計でおよそ5日から10日程度訪れます。