授賞式直前まで「本命確実」とメディアで喧伝されていたヴィニシウスを抑え、なぜロドリが頂点に立ったのか。そこには、フランスフットボール公式発表による評価基準の厳格な運用と、制度改革がもたらした投票行動のリアルがありました。
現在のバロンドール選考基準と投票方法は、FIFAランキング上位100か国の専門ジャーナリスト1名ずつ(100名)によって行われます。各記者が1位(15点)から10位(1点)まで順位付けして投票するシステムにおいて、提示されている審査基準は以下の3点です。
- 個人のパフォーマンスおよび決定的・印象的なプレー
- 所属チームの実績および獲得タイトル
- 品格およびフェアプレーの精神(クラス&フェアプレー)
ロドリ受賞理由と評価を精査すると、1年間にわたり出場試合での「無敗神話」を継続し、マンチェスター・シティのリーグ制覇とスペイン代表のEURO全勝優勝の双方で大会MVP級の存在感を誇った事実が第1・第2基準を完璧に満たしました。さらに決定打となったのが第3基準です。ピッチ上での抗議や小競り合いが少なく、規律正しいロドリに対し、ヴィニシウスはピッチ内外での審判への過度な異議やカード累積、相手サポーターとの応酬が一部の審査員の間で慎重論を呼びました。
公表された最終投票結果によると、ロドリの獲得ポイントは1,170点、ヴィニシウスは1,129点。その差はわずか41点でした。1位票の配分や下位指名票の積み重ねが命運を分けたのです。
この結果を授賞式当日の昼に察知したレアル・マドリード首脳陣がチャーター機の手配をキャンセルし、選手団全員でパリへの渡航をボイコットしたのがヴィニシウス不参加の真相でした。「主催者側がレアル・マドリードを尊重していない」とするクラブ側の強硬姿勢は、世界のサッカー関係者の間で「スポーツマンシップに反するボイコット」と「情報漏洩を防げなかった運営の不手際」の両面から激しい賛否両論を呼びました。