本作が単なる子供向けコメディに留まらず、世代を超えて愛される理由の筆頭が、ハリウッド屈指の実力派キャスト陣による怪演と温かい人間ドラマです。
主演のラリーを演じたベン・スティラーは、本作でコメディ俳優としての地位を不動のものにしました。近年は監督・プロデューサーとしての手腕を遺憾なく発揮し、Apple TV+のサスペンスドラマ『セヴェランス(Severance)』でエミー賞に多数ノミネートされるなど、クリエイターとしてキャリアの円熟期を迎えています。
ジオラマのミニチュア西部劇ガンマン・ジェデダイア役のオーウェン・ウィルソンは、マーベル・シネマティック・ユニバースのドラマ『ロキ』でメビウス役を好演し、独自の飄々とした魅力を放ち続けています。また、エジプトの若き王アクメンラーを演じたラミ・マレックは、後に『ボヘミアン・ラプソディ』でフレディ・マーキュリー役を演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞するトップスターへと駆け上がりました。
そして何より映画史に深く刻まれているのが、セオドア・ルーズベルト大統領を演じた名優ロビン・ウィリアムズの存在です。
2014年8月に急逝したロビンにとって、同年12月公開の『ナイトミュージアム/エジプト王の秘密』は実写映画としての遺作となりました。第3作のクライマックスで、展示物としての命が消えかけるルーズベルトがラリーに向けて語りかける言葉――「朝日が昇る。私たちの番は終わりだ、ラリー」「大切なのは、君が次にどう生きるかだ」という台詞は、ロビン自身の人生の幕引きと重なり、撮影現場でも多くのスタッフが涙を堪えきれなかったとショーン・レヴィ監督は回顧録で語っています。