レムというキャラクターの魅力を語る上で、声優・水瀬いのりさんの卓越した演技力は切り離せません。
当時の特番インタビューや声優雑誌の手記において、水瀬さんは第18話のアフレコ現場について「マイク前で本当に涙が止まらなくなり、全身のエネルギーを使い果たした」と語っています。彼女が意識したのは、単なるアニメ的な「萌え声」ではなく、スバルの魂を現世に引き戻すための「真実の祈り」でした。
普段の穏やかで抑揚を抑えた丁寧なメイド口調から、スバルを鼓舞する際の力強く温かいトーン、そして鬼化戦闘時の狂気に満ちた叫び声まで、水瀬さんの声のトーン設計は完璧に計算されていました。視聴者の胸を締め付けるあの圧倒的な感情表現があったからこそ、レムは記号的な美少女キャラを超え、ひとりの実存する生命体として視聴者の心に刻み込まれたのです。