ネット上のまとめ記事や掲示板では、加害者の自宅に押しかけたり、ネット上に実名や顔写真を晒して私的制裁を加えたりする過激なエピソードが人気を集めがちです。しかし、ジャーナリズムの視点から現場を取材すると、こうした違法行為に手を染めた被害者が、逆に加害者から訴えられて刑事罰や多額の損害賠償を科される事例が後を絶ちません。
刑法における名誉毀損罪(第230条)は、摘示した事実が「真実」であっても、公共性・公益目的が認められない私怨の暴露であれば成立します。また、退職代行やSNSでの拡散を感情任せに行った結果、威力業務妨害や脅迫罪に問われる危険性も孕んでいます。悪事を働いた相手を真に追い詰める唯一の方法は、法と制度の枠組みの中で逃げ場をなくす合法的な手続きに徹することです。