貴景勝関の強靭な肉体と精神力は、母・純子さんの深い愛情と、父・一哉氏の徹底した指導哲学が融合した家庭環境によって育まれました。佐藤家の家族構成は、父・一哉さん、母・純子さん、そして一人息子の貴信さん(貴景勝関の本名)の3人家族です。
毎月30万円超を費やした「伝説の食卓」
幼少期、空手から相撲へ転向した貴景勝関にとって最大の課題は「身体の大型化」でした。父・一哉氏が課した過酷な稽古を支えるため、母・純子さんは台所で壮絶な戦いを繰り広げていました。TBS系ドキュメンタリー番組『バース・デイ』等で明かされたエピソードによると、小学生時代から1回に450グラムの特大ハンバーグを3個平らげ、夕食にはキロ単位の牛肉が並ぶのが日常だったといいます。
ただ量を食べさせるだけでなく、身体に負担をかけないよう脂身を丁寧に処理し、消化を助ける副菜を工夫するなど、純子さんの料理には細やかな配慮が施されていました。高級住宅地・芦屋という環境にあぐらをかくことなく、自らスーパーを何軒も回り、息子の身体作りに人生の全時間を捧げた姿勢は、まさにプロフェッショナルな「アスリートの母」そのものでした。