七海ひろきの宝塚でのキャリアは、2003年の89期生としての入団から始まりました。初舞台後に配属された宙組では、長身を生かしたスタイリッシュな佇まいと繊細な芝居心で頭角を現します。2009年には『薔薇に降る雨』で新人公演初主演を果たし、2013年の大作『風と共に去りぬ』では役替わりでヒロインのスカーレット・オハラを好演。男役でありながら可憐さと激しさを併せ持つ芝居を見せ、演技力の高さを広く証明しました。
大きな転換点となったのが、研13(入団13年目)を迎えた2015年の星組への組替えです。伝統的に情熱的でダイナミックな気風を持つ星組において、宙組育ちのノーブルでスタイリッシュな七海ひろきの個性は見事な化学反応を起こしました。2017年の宝塚バウホール単独初主演作『燃ゆる風 -軍師・竹中半兵衛-』では、知性と深い情愛を湛えた戦国武将を熱演し、チケット即完売の伝説的な公演となりました。
さらに、台湾公演でも話題を呼んだ『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』の殤不患(ショウフカン)役など、2.5次元的要素を持つ難役も見事に立体化。舞台上での圧倒的な存在感に加え、舞台挨拶やタカラヅカ・スカイ・ステージ等の番組で見せる気配りや優しい語り口から、自然発生的に「お兄様」という愛称が定着し、性別を問わず多くの観客を虜にしていきました。