音楽ファンの中には、彼女の表現の原点が「演技」にあったことを知らない層も少なくありません。ここで改めて、佐藤千亜妃の年齢・プロフィールと初期の歩みを整理します。
岩手県盛岡市出身の彼女は、高校1年生だった2004年に応募総数数万人規模を誇るホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを受賞。1988年9月20日生まれの彼女は当時16歳、端正な顔立ちと凛とした佇まいで大きな注目を集め、芸能界の表舞台へと足を踏み入れました。
佐藤千亜妃の女優時代には、フジテレビ系月9ドラマ『ヴォイス〜命なき者の声〜』やNHK連続テレビ小説『ちりとてちん』、映画『包帯クラブ』『青いうた〜のど自慢 青春編〜』など、名だたるドラマ出演作・映像作品に出演。確かな演技力で将来を嘱望される若手女優の1人でした。
しかし、本人が当時のインタビューや手記で振り返っている通り、「与えられた役を演じること」と「内面から湧き出る衝動を言葉と音で表現すること」との間には決定的な乖離が存在していました。周囲が描く清純派女優のイメージと、自身が愛してやまないオルタナティブ・ロックの世界。そのアイデンティティの葛藤の末、彼女は自らギターを手に取り、演技の道を離れて音楽大学へ進学。自律した表現者としての道をゼロから切り拓く選択を下したのです。