『366日』が他の失恋ソングと一線を画す最大の理由は、フィクションの物語ではなく仲宗根泉の実体験(実話)に基づいた極めて個人的な告白である点にあります。
当時、深く愛していた交際相手から別れを告げられた仲宗根泉は、失意のどん底で日常生活すらままならない精神状態に陥りました。どれだけ拒絶されても相手を嫌いになることができず、心の中で相手を求め続けてしまうやるせなさを、ピアノに向かって感情のままに吐き出したことで生まれたのが本楽曲です。
手記や音楽特番の回顧取材によると、歌詞の中にある「それでもいい それでもいいと思えるように なれたんじゃない 嫌いになれなかったんじゃない」というフレーズは、頭では別れを受け入れようと葛藤しながらも、心がどうしても相手を拒めない自己矛盾そのものを描写しています。
自分を犠牲にしてでも相手と繋がっていたいという、ある種の「都合のいい存在」に甘んじてしまいそうな弱さまで赤裸々に曝け出しているからこそ、誰にも言えない痛みを抱えたリスナーの心に直接響き続けています。