泉政行の役者人生において、最大のターニングポイントであり金字塔となったのが『仮面ライダー555』です。彼が演じた木場勇治は、交通事故によって一度命を落とし、怪人「オルフェノク(ホースオルフェノク)」として覚醒した青年でした。裏切りや絶望に打ちのめされながらも、「人間として生きること」「人間とオルフェノクの共存」を信じ続けようと葛藤する、非常に重層的な役どころです。
主人公・乾巧(仮面ライダーファイズ)を演じた半田健人との関係性は、単なる「正義の味方対悪の怪人」という勧善懲悪の図式を完全に覆しました。互いの正体を知らぬまま友情を育み、時に信じ合い、時にすれ違って衝突する2人のドラマは、メインライターの井上敏樹による緻密な脚本と、泉政行の繊細な心理描写によって圧倒的なリアリティを獲得しました。
劇中でホースオルフェノクが見せた優しさと哀愁、そして運命に翻弄されながらも最後まで理想を追い求めた木場勇治の姿は、放送から20年以上が経過した今も「特撮史に残る最高峰のライバル像」として語り継がれています。