過度なカロリー制限を行った際、体内ではどのような生化学的反応が起きているのでしょうか。主食などの糖質を極端にカットしたり、総摂取カロリーを基礎代謝以下に削ったりすると、体はまず肝臓や筋肉に蓄えられたグリコーゲンを使い果たします。
糖質が枯渇すると、体は筋肉のタンパク質を分解してブドウ糖を作り出す「糖新生」を活発化させます。筋肉が削られると、それに比例して何もしなくても消費される基礎代謝量が減少していきます。さらに飢餓状態が深刻化すると、肝臓で脂肪酸からケトン体が合成され、脳や全身の代替エネルギーとして利用されるようになります。
ケトン体の産生自体は飢餓を生き抜くための精巧な適応ですが、同時に食欲抑制ホルモンであるレプチンの血中濃度が通常の数分の一にまで急降下します。これにより脳の満腹中枢が麻痺し、飢餓感を強烈に煽るグレリンが分泌されるため、強靭な意志力を持っていても抗えないほどの過食衝動が引き起こされます。