2026年のアートシーンにおいて、江口寿史氏の存在感は一段と際立っています。近年全国の公立美術館を巡回した『彼女』展や『RECORD』展、そして新作を中心とした個展『NO MANNER』の成功を経て、現在も各地のギャラリーやミュージアムで企画展が絶え間なく展開されています。
美術館関係者の取材によると、江口氏の展覧会における最大の特徴は来場者層の圧倒的な多様性です。1980年代の連載当時をリアルタイムで知る50代・60代の熱心なオールドファンはもちろんのこと、SNSを介してそのスタイリッシュなビジュアルに魅了された10代・20代の若年層が会場の半数近くを占めています。スマートフォンの画面越しではなく、生原稿のインクの滲みや極限まで研ぎ澄まされた主線のストロークを直に見ようと、開館前から長蛇の列が形成される光景はもはや恒例となりました。
また、2026年の最新動向として見逃せないのが、デジタルサイネージや大型屋外広告、国内外のトップブランドとのコラボレーション企画です。オリジナル限定版画(ジークレープリント)や公式グッズ、Tシャツ、ソフビフィギュアなどは発売と同時に即日完売を記録。商業イラストレーションとファインアートの境界線を鮮やかに無力化する江口氏の創作活動は、70歳を目前にした現在もなお進化の歩みを止めていません。