来園前の旅行者が最も気にする「恐怖度」について、現地取材とコース設計データから詳細を紐解きます。結論から言えば、スチームコースター アイアンブルの恐怖の本質は「落下の激しさ」ではなく「先が見えない視覚的心理効果」にあります。
多くの人が苦手とする「胃がふわっと持ち上がる浮遊感(マイナスG)」は、垂直落下や急激なキャメルバックが存在しないため、極めて控えめに設計されています。国内主要パークの大型絶叫マシンに見られるような、内臓が浮く独特の感覚が苦手な人でも、問題なく乗車できるケースが大半を占めます。
一方で、恐怖度を押し上げている要因は以下の3点に集約されます。
第一に、完全な暗闇空間の疾走です。工場内を模したインドア空間は照明が極限まで落とされており、レールが右に曲がるのか左に傾くのかが直前まで予測できません。第二に、インダストリアルな光と音、スチーム(煙)の演出です。メカ闘牛「アイアンブル」の動力源である蒸気が吹き荒れ、インダストリアルな重低音と閃光が交錯することで、聴覚と視覚から適度な緊張感が煽られます。第三に、身体にかかる横Gとスピード感です。最高速度自体は極端に高速ではないものの、暗闇の中を駆け抜けるため体感速度は実際の数値を大きく上回ります。
恐怖レベルとしては「東京ディズニーランドのスペース・マウンテンよりは浮遊感が少なく、適度な疾走感と演出を楽しむダークコースター」と位置づけるのが実態に即しています。